肩こりは多くの人々が日常的に経験する悩みの一つです。特に、寝起きに感じる肩こりは、睡眠の質や日中の活動に影響を及ぼすことがあります。今回は、寝起きの肩こりの原因や予防法、そして効果的な改善策について解説し健康的な身体に近づけていきましょう。
寝起きに肩こりになる原因
睡眠姿勢の問題
睡眠姿勢が原因で肩こりを引き起こすことがあります。具体的には、以下のような姿勢が問題となります。
- 仰向けでの寝方
仰向けで寝る際に、首と背骨が一直線にならず、不自然な角度で首が曲がっていると、首や肩に負担がかかります。この負担が積み重なることで、朝起きたときに肩こりを感じることがあります。
寝る時の姿勢が悪いと、肩や首に負担がかかり、朝起きた時に肩こりを感じることがあります。特に、枕の高さや硬さが合っていない場合、首や肩に不自然な力が加わります。 - うつ伏せでの寝方
うつ伏せで寝ると首を左右どちらかに曲げて布団に押し付けるような格好になります。
この姿勢はかなり大きな負担が首や肩の筋肉にかかり緊張しやすくなり血行がわるくなり寝起きの肩こりの原因になります。また、背骨がねじれた状態になるため身体の歪みも引き起こされ慢性的な肩こり腰痛に繋がります。 - 横向きでの寝方:横向きで寝る際に、枕の高さが適切でないと首が傾き、肩に余計な負担がかかります。また、腕を体の下に置くと、肩の圧迫感が増し、筋肉が緊張するため、肩こりを引き起こすことがあります。
寝る時の姿勢が悪いと、肩や首に負担がかかり、朝起きた時に肩こりを感じることがあります。特に、枕の高さや硬さが合っていない場合、首や肩に不自然な力が加わります。
枕や寝具が身体に合わない
適切な枕や寝具を選ぶことは、寝起きの肩こりを予防するために重要です。具体的なポイントは以下の通りです。
- 枕の高さと固さ
枕の高さや固さは個人の好みがあると思いますが、適切な高さ、固さがあります。極端に高すぎたり低すぎたりすると肩に余計な負担をかけてしまうので適切な枕を選ぶことが重要です。
仰向けの時に少しうつむく位の高さが良いとされており、仰向けの状態で頭を乗せた際に、首から頭にかけての角度が10~15度くらい下がる状態が理想的な姿勢です。
高すぎた枕を使ってしまうと首の位置も高くなり首の骨にかなり負担がかかります。この高い位置のバランスを見るとデスクワークをしている時と同じ角度になっているため、寝ていても肩こりになりやすいデスクワークの姿勢を取ってしまっているのでかなり危険です。
低い枕だと頭の位置が下がり、首が後ろに反った姿勢になるため首に負担がかかり寝起きの肩こりや頭痛などに繋がります。
次に固すぎる枕だと頭が沈まずに真っすぐな骨の状態になることや、頭の重さを首の筋肉で支えることになるため常に筋肉が緊張している状態になるため肩こりになりやすくなります。また、寝返りも行いずらくなるため常に同じ姿勢で寝る状態が続き一か所に負荷がかかる事で肩こりが生じやすくなります。
首への負担は現代病とも言われるストレートネックの原因にもなり寝起きの肩こりだけではなく慢性的な肩こりや首コリの原因にもなります。 - マットレスの硬さ
理想的な睡眠姿勢は背骨の骨が自然なS字カーブを保てる状態になります。
固すぎる場合はS字カーブが保つことが出来ず真っすぐな状態になり柔らかいマットレスは特に腰の部分の骨が沈み込み過ぎてしまい綺麗なS字が保つことができません。結果的に体に負担がかかり肩こりを引き起こしてしまいます。
また、身体にあっていないマットレスでは寝返りが打ちにくい状態になります。
寝返りは血行を促進させることや歪みを整える効果があります。同じ姿勢になっていると血液の流れが悪くなるため動く事で身体の一か所への過度な負担を減らしてくれています。
寝返りは大体20回~40回ほどが理想とされていているため寝返りの回数が少なくなると肩こりや頭痛などの原因にななります。
適度な厚みがあり自分の体重にあった固さ選びが大切です。
寝具だけでも寝起きの肩こり解消に繋がります。
ストレスや疲労
ストレスや疲労が原因で肩こりが悪化することがあります。具体的には以下のようなメカニズムが働きます。
- 精神的なストレス
ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になります。これにより筋肉が緊張し、肩や首の筋肉が固くなることや不眠の原因になるため寝起きがスッキリしないことがあります。
寝ている時は副交感神経を優位にしリラックスする事で睡眠の質が高まるためお風呂に浸かり身体を温め血行を促進する事でリラックス効果も高まるのでゆっくりと浸かりましょう。ただ、熱いお風呂への長時間の入浴は逆に交感神経が優位になり興奮状態になるため少しぬるめのお風呂にゆっくり浸かる程度がおすすめす。
他には寝る前のスマホ操作もブルーライトの刺激などで交感神経が働きやすくなるため音楽やアロマなどを焚いてリラックスした状態で就寝しましょう。 - 疲労の蓄積:長時間のデスクワークや運動不足により、肩や首の筋肉に疲労が蓄積すると、筋肉が硬くなり、血行が悪くなります。これにより、寝ている間に筋肉が十分にリラックスできず、肩こりが生じます。
日常生活でのストレスや過労が肩こりの原因となることがあります。ストレスが溜まると筋肉が緊張し、寝ている間にも完全にリラックスできない場合があります。
運動不足
運動不足は肩こりの大きな原因となります。以下にその詳細を説明します。
- 筋力低下
運動不足により、肩や首の筋肉が弱くなります。筋肉が弱いと、日常の動作や姿勢維持に必要な筋力を補うために、他の筋肉に過剰な負担がかかりやすくなり肩こりや腰痛の原因になります。
腰痛の場合は腹筋の筋力低下が原因が多いケースもああります。 - 血行不良
運動不足により血液の循環が悪くなると、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、筋肉の緊張が増します。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けると、肩や首の筋肉が硬直しやすくなります。
運動後に疲れて寝た後にスッキリしたと感じるのは血液が全身をしっかりと流れてくれるので疲労物質も一緒に流れるためです。適度な運動やストレッチをすることで睡眠の質もかなり上がります。 - 柔軟性の低下
運動不足により筋肉や関節の柔軟性が低下すると、肩や首の可動域が狭くなり、筋肉が硬直しやすくなります。これにより、寝起きに肩こりを感じることが増えます。
柔軟性が高くなれば血液の流れもよくなります。ストレッチをすることで固くなった筋肉がほぐれ肩や首にもしっかりとフレッシュな血液が巡り寝起きの肩こりにも悩まされなくなります。
特に就寝前にストレッチをすることで筋肉がほぐれ自律神経も整っていきます。
副交感神経も優位になるためリラックスした状態で寝ることができます。
身体の冷え
冬や夏の季節の変わり目に体調不良や寝起きの肩こり、頭痛の症状が増えますが突然と症状が出たわけではなく元々悪くなっていた個所が体温の変化などによって症状が悪化したと言えます。
寒さや暑さなどの体温は自分が感じている状態ですが、筋温はなかなか自分では感じられません。体温が熱いからと言って筋温も暖かいとは限らず、実は筋肉はかなり冷えている状態ということはかなり多いです。
寝るときに首や肩が冷えた状態で寝ると血行が悪くなり寝起きの肩こりの原因になります。
特に夏はエアコンを付けたまま寝ていると体が冷えて血行が悪くなり肩こりを引き起こしてしまうため、夏用の薄い布団をかけたり、エアコンの風が直接体に当たらないように調節しましょう。
歯ぎしり
歯で噛む時に使われる筋肉はあごから首、肩へと繋がっている筋肉を使います。
歯ぎしりをしていると常に首と肩の筋肉を使っている状態になるため寝起きの肩こりや頭痛などの原因になります。
対策としてはマウスピースを付ける事で筋肉への負担を軽減させることができますが嚙み合わせなども原因になるため歯科医に相談すると改善しやすいでしょう。
肩こり改善のための具体的なストレッチ方法
- 首の回旋運動
首をゆっくりと左右に回し、首の筋肉を伸ばします。各方向に10回ずつ行いましょう。 - 肩甲骨のストレッチ
両手を背中で組み、肩甲骨を寄せるようにして肩を後ろに引きます。この状態で10秒間キープし、3回繰り返します。 - 肩回し運動
肩を前後に大きく回します。前方向に10回、後方向に10回行い、肩の筋肉をほぐします。
肩こりに効くストレッチをご紹介しましたが他にも全身のストレッチをすることでより効果的にもなることや実は、足のストレッチをしても肩こりに効果的になります。特にふくらはぎは第二の心臓と言われているほど重要で下に下がった筋肉をストレッチする事で上にあげてくれるので全身の血行が良くなり寝起きの肩こりにも効果的にです。
日常生活での注意点
- デスクワークの姿勢を正す
長時間のデスクワークは肩こりの原因となりやすいです。椅子の高さを調整し、背筋を伸ばして正しい姿勢を保つことが重要です。定期的に立ち上がり、ストレッチを行うことで、筋肉の緊張を和らげましょう。 - 重い荷物の持ち方を工夫する:
重い荷物を持つ際には、片方の肩に負担がかからないよう、リュックサックなど両肩に均等に重さが分散するバッグを使用しましょう。 - 適度な休息を取る:
過労やストレスが肩こりの原因となるため、適度に休息を取ることが重要です。リラックスできる趣味や活動を見つけ、心身のバランスを保ちましょう。
肩こりを解消するためのセルフケア
- 温湿布の使用
温湿布を肩に貼ることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることができます。温湿布は市販されているものを使用するか、自宅で簡単に作ることも可能です。
市販の温湿布:薬局などで購入できる使い捨ての温湿布を使用します。寝る前に肩に貼って温めると、翌朝の肩こりが軽減されることがあります。
湿布がない時の対応:タオルを温水で濡らし、電子レンジで数十秒温めます。適温になったら肩に当てて温めます。15〜20分間そのままにしておくと、筋肉がほぐれます。 - アロマテラピー
リラックス効果のあるエッセンシャルオイルを使用したアロマテラピーも肩こりの緩和に役立ちます。ラベンダーやカモミールなどがおすすめです。 - マッサージ
自分で肩や首を軽くマッサージすることで、筋肉の緊張をほぐすことができます。定期的に専門のマッサージを受けるのも良いでしょう。 - 鍼
自分で貼ることができる鍼(パイオネクスゼロ)というものがあります。
こちらは痛くなく簡単に貼ることができるためおすすめです。
紹介記事はこちら「肩こりにおすすめ!刺さない鍼パイオネクスゼロ」
5.ツボ押し
ツボ押しはおすすめの改善方法です。
・肩井(けんせい)
首を前に曲げたときに、首の付け根の出っ張る骨と肩先の真ん中で、肩の盛り上がっている辺りになります。
肩こりと言えば肩井と言われるほど有名なツボで血行をよくし肩こり、首こりの症状に効果的です。
主な効果は肩こり、頭痛、冷え性、四十肩、五十肩など幅広い症状に効果があります。
・手三里(てさんり)
肘を曲げた時にできるしわの外側から手の平に向かって指3本分のあたりにあります。
この三里は手のしわから三寸のとこで「里」は気血が集まるところと言われ手三里と名づけられています。
気血の流れを良くすれば身体全体に効果がでます。
腕がダルイ、腹痛、胃の痛みなどの消化器系の症状から肩こり、首の痛みにも効果的です。
まとめ
寝起きの肩こりは、多くの人が抱える悩みですが、改善する方法はたくさんあります。適切な睡眠姿勢を保ち、自分に合った枕や寝具を選ぶことが重要です。また、日常生活でのストレスを軽減し、適度な運動を取り入れることで肩こりを予防できます。具体的には、仰向けや横向きでの寝方を工夫し、枕の高さや硬さを調整しましょう。リラックスする習慣や定期的なストレッチも効果的です。重い荷物の持ち方やデスクワークの姿勢に注意し、定期的に休息を取ることも大切です。これらの対策を実践することで、寝起きの肩こりを軽減し、快適な日常生活を送ることができます。
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