耳鳴りを引き起こす原因の一つと言われているのが肩こりや首こりがひどいと耳鳴りが起こりやすくなります。
肩こりと耳鳴りでは一見すると関係なさそうに思いますが、肩こり、首こりがひどくなると耳鳴りが現れることがあります。
耳鳴りなど起きると肩こりを和らげるためにロキソニンなどの薬を使う方もいると思いますが、一時的に和らげるだけになってしまうので少しでも軽減できるように肩こりと耳鳴りの原因、症状、そしてそれらを軽減するための対策について詳しく説明します。
耳鳴りを起こす肩こりの原因
姿勢の悪さ
デスクワークやスマートフォンの使用は、姿勢の悪さを引き起こしやすく、肩こりの大きな原因となります。
- 前かがみの姿勢
長時間前かがみで作業をすることで、首や肩の筋肉が常に緊張した状態になります。特に、パソコン作業やスマートフォンの操作時に姿勢が崩れやすくなります。 - 座りっぱなし
長時間同じ姿勢で座っていると、血行が悪くなり、筋肉が固くなります。これが肩こりを引き起こします。
ストレス
精神的なストレスは、筋肉の緊張を引き起こし、肩こりの原因となります。ストレスがかかると、体は防御反応として筋肉を緊張させます。この状態が続くと、肩や首の筋肉が硬直し、肩こりが生じます。
- 仕事のプレッシャー
過度な仕事のプレッシャーや時間的な制約がストレスを増加させ、肩こりの一因となります。
常に怒られるかもとびくびくしていると自然と体に力が入ってしまい常に力が入っている状態だと筋肉も固くなってしまいます。 - 人間関係のストレス
家庭や職場での人間関係の問題も、慢性的なストレスを引き起こし、肩こりを悪化させることがあります。
運動不足
運動不足は、肩こりの大きな原因の一つです。運動をすることで血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれますが、運動不足により筋肉が硬直しやすくなります。
- 筋力低下
運動不足により筋力が低下すると、姿勢を支える筋肉が弱くなり、肩こりが生じやすくなります。 - 血行不良
運動不足は血行不良を引き起こし、筋肉に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなるため、筋肉が疲れやすくなり、肩こりを引き起こします。
睡眠不足
十分な睡眠を取らないと、体全体の疲労が回復せず、筋肉の緊張が続きます。これが肩こりの原因となります。
- 浅い睡眠
質の低い浅い睡眠は、筋肉の回復を妨げ、肩こりを悪化させます。 - 不規則な睡眠パターン
睡眠のリズムが乱れると、体内時計が狂い、ホルモンバランスが崩れやすくなります。これが肩こりに繋がります。
冷え
寒冷環境に長時間さらされると、筋肉が収縮し、血行が悪くなります。特に冷え性の人は肩こりを感じやすいです。
- エアコン
夏場でもエアコンの効いた部屋に長時間いると、肩が冷え、筋肉が固くなり肩こりが生じやすくなります。
熱い時にエアコンは付はもちろん付けた方がいいですが、注意すべきはエアコンの風が直接体に届かないようにする事で余計な冷えは防げます。特に、肌の露出が多いと冷たい風が直接肩にあたり肩こりの原因となりますので、薄手の上着を羽織るなどして筋肉への冷えを防ぐことで肩こりになりにくくなります。 - 寒い季節
冬場は特に筋肉が冷えて血行が悪くなり、肩こりがひどくなることがあります。
長時間の同一姿勢
仕事や趣味で長時間同じ姿勢を続けることは、肩こりの大きな原因です。
- デスクワーク
長時間のパソコン作業は、肩や首の筋肉に負担をかけ続けるため、肩こりが発生しやすくなります。 - 車の運転
長距離運転をする人は、同じ姿勢を保つことが多く、肩こりを感じやすいです。
不適切な運動
運動は肩こりの予防に効果的ですが、誤った方法で行うと逆効果になることがあります。
- 無理なストレッチ
適切でないストレッチや過度な運動は筋肉を痛め、肩こりを悪化させることがあります。 - 誤ったトレーニングフォーム
運動や筋トレ時に正しいフォームを守らないと、特定の筋肉に過度の負担がかかり、肩こりの原因となります。
ジムに行ったりすると一生懸命重い負荷をかけてトレーニングしようと思ってしまいがちですが、誤ったトレーニングフォームでは効果が発揮されない事や肩こりの原因なる事もあります。
正しいフォームで適切な負荷をかければトレーニングの効果は出ます。
その他の原因
その他の肩こりの原因としては以下のものがあります:
- 重いバッグの使用
片側の肩に重いバッグをかけ続けると、その側の肩に負担がかかり、肩こりが生じやすくなります。 - 眼精疲労
目の疲れは首や肩の筋肉に影響を与え、肩こりを引き起こすことがあります。特に、長時間のパソコンやスマートフォンの使用は、目に大きな負担をかけます。 - 噛み合わせの問題
歯の噛み合わせが悪いと、顎の筋肉が緊張し、それが首や肩に影響を与えて肩こりを引き起こすことがあります。
耳鳴りの原因
肩こりと耳鳴りは、非常に関連性が深い症状です。肩こりがひどくなると耳鳴りが発生することがあり、そのメカニズムは複雑で多岐にわたります。以下に、肩こりが原因で耳鳴りが発生する詳細なメカニズムについて説明します。
耳鳴りより頭痛がつらいという方はこちらの記事に紹介しています。「肩こりからの頭痛の原因と治し方をご紹介」
血行不良
肩こりは、筋肉の緊張や硬直によって血行が悪くなることが多いです。この血行不良が耳鳴りの原因となることがあります。
- 筋肉の緊張と血流減少
肩や首の筋肉が緊張すると、血管が圧迫されて血流が減少します。この結果、耳の周りの血流も悪くなり、内耳に十分な酸素や栄養が供給されなくなります。内耳の血行不良は耳鳴りを引き起こす要因の一つです。 - 酸素供給不足
内耳は非常にデリケートな器官で、酸素や栄養の供給が不足すると機能が低下しやすくなります。この状態が続くと、耳鳴りが発生しやすくなります。
神経の圧迫
肩こりによって神経が圧迫されると、耳鳴りが発生することがあります。特に、頸椎(首の骨)周りの神経が圧迫されると影響が大きいです。
- 頸椎の問題
肩こりがひどくなると、頸椎の間の神経が圧迫されることがあります。これが首から耳にかけての神経に影響を与え、耳鳴りを引き起こすことがあります。 - 三叉神経の影響
肩こりは三叉神経(顔や頭の感覚を伝える神経)にも影響を与えることがあり、この神経の圧迫が耳鳴りを引き起こすことがあります。
筋緊張性頭痛
肩こりが原因で筋緊張性頭痛が発生し、その副次的な症状として耳鳴りが生じることがあります。
- 筋肉の過緊張
肩や首の筋肉が緊張することで、頭部全体の筋肉も緊張状態になります。この過緊張が耳周りの筋肉にも影響を及ぼし、耳鳴りを引き起こすことがあります。 - 頭痛と耳鳴り
筋緊張性頭痛が発生すると、その痛みや圧迫感が耳にも波及し、耳鳴りとして感じられることがあります。
自律神経の乱れ
肩こりが長期間続くと、自律神経のバランスが崩れることがあり、これが耳鳴りの原因となることがあります。
- 交感神経の亢進
肩こりによるストレスや痛みは、交感神経を活性化させます。交感神経の亢進は血管の収縮を引き起こし、耳の血流を悪化させるため、耳鳴りを引き起こすことがあります。 - 副交感神経の抑制
逆に、副交感神経が抑制されると、リラックス状態が得られず、筋肉の緊張が続きやすくなります。これが慢性的な肩こりと耳鳴りの悪循環を生み出します。
耳管機能の障害
肩こりが耳管(中耳と鼻腔をつなぐ管)の機能に影響を与えることがあります。耳管機能の障害は耳鳴りを引き起こす要因となります。
- 耳管開閉筋の緊張
肩や首の筋肉が緊張すると、耳管を開閉する筋肉も影響を受けます。この筋肉の緊張が耳管の機能を低下させ、中耳の気圧調整がうまくいかなくなり、耳鳴りが発生します。 - 耳管通気不良
耳管がうまく開閉しないと、中耳の圧力が不安定になり、耳鳴りの原因となります。
心理的ストレス
肩こりが慢性的に続くと、心理的なストレスも増大し、これが耳鳴りを引き起こすことがあります。
- ストレスと耳鳴り
ストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良や筋肉の緊張を引き起こします。これが耳鳴りを悪化させる要因となります。 - 心理的な要因
肩こりによる痛みや不快感が心理的な負担となり、その結果として耳鳴りが発生することがあります。
自宅でできる肩こり、耳鳴り対策
肩こりは多くの人が日常的に悩む症状ですが、適切な対策を講じることで症状を緩和することができます。自宅で簡単に実践できる肩こり対策を以下に詳しく紹介します。
ストレッチとエクササイズ
肩甲骨周りのストレッチ
- 肩甲骨を引き寄せるストレッチ
両腕を前に伸ばし、肩甲骨を引き寄せるようにして腕を前後に動かします。これを10回繰り返します。 - 肩甲骨回し:肩甲骨を回すように腕を前後に回します。これを各10回行います。
首のストレッチ
- 首の前後ストレッチ
首を前に倒し、次に後ろに倒します。無理のない範囲で行い、各動きを5秒間保持します。これを5回繰り返します。 - 首の左右ストレッチ
首を左右に倒し、それぞれの動きを5秒間保持します。これを5回繰り返します。 - 肩回りのエクササイズ
肩の上下運動:両肩を耳に近づけるように持ち上げ、次に肩を下げます。これを10回繰り返します。
肩の前後運動:肩を前に突き出し、次に肩を後ろに引きます。これを10回繰り返します。
マッサージ
セルフマッサージ
- 首のマッサージ
片手で首の後ろを軽く握り、指を使って円を描くようにマッサージします。これを1〜2分間行います。 - 肩のマッサージ
反対側の手で肩を軽く握り、親指で肩の筋肉を揉むようにマッサージします。これを1〜2分間行います。
ツールを使ったマッサージ
- フォームローラー
フォームローラーを使って肩や背中をマッサージします。フォームローラーの上に横たわり、ゆっくりと体重をかけながら転がします。 - テニスボール
壁と背中の間にテニスボールを挟み、肩甲骨周りをマッサージします。ボールを使って筋肉のこりをほぐします。
温熱療法
ホットパック
- 電子レンジで温めたホットパック
ホットパックを電子レンジで温め、肩や首に当てます。10〜15分間当てることで、血行が良くなり筋肉の緊張が和らぎます。 - 温めたタオル
タオルをお湯に浸して絞り、肩や首に当てます。タオルが冷たくなったら再度温め直し、10〜15分間続けます。 - 温かいお風呂
温かいお風呂にゆっくりと浸かることで全身の血行が良くなり、肩こりの緩和に効果的です。お風呂にはエプソムソルトを入れると、筋肉のリラックス効果がさらに高まります。
生活習慣の改善
正しい姿勢の維持
- デスクワーク時の姿勢
椅子に深く座り、背筋を伸ばし、画面は目の高さに合わせます。足は床にしっかりとつけ、膝は90度の角度に保ちます。 - スマートフォンの使用時
スマートフォンを見る際は、顔を下に向けず、目の高さに持ち上げて使用します。
定期的な休憩
- デスクワーク時の休憩
1時間ごとに5〜10分間の休憩を取り、ストレッチや歩行を行います。これにより、筋肉の緊張を防ぎます。
適度な運動
- ウォーキング
毎日30分程度のウォーキングを行うことで、血行が良くなり、肩こりの予防に効果的です。 - ヨガやピラティス
ヨガやピラティスは、全身の柔軟性を高め、筋肉の緊張を和らげるのに効果的です。
ストレス管理
リラクゼーション法
- 深呼吸
深呼吸を行うことでリラックス効果があり、肩や首の緊張を緩和します。ゆっくりと深く息を吸い、ゆっくりと吐き出すことを繰り返します。 - 瞑想
瞑想は心身のリラックスを促し、ストレスを軽減する効果があります。静かな場所で目を閉じ、深呼吸しながら心を落ち着けます。 - 趣味活動
好きな趣味を楽しむ時間を持つことで、ストレスの軽減に繋がります。趣味に没頭することで、肩こりを引き起こすストレスを減らすことができます。
食事と水分補給
バランスの取れた食事
- 栄養バランス
バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンやミネラルを豊富に含む食品を摂取します。特にビタミンB群やマグネシウムは筋肉の健康に重要です。 - 抗炎症食品
魚、ナッツ、オリーブオイル、緑黄色野菜などの抗炎症食品を積極的に摂ることで、筋肉の炎症を抑える効果が期待できます。
十分な水分補給
- 水を飲む
適切な水分補給は筋肉の健康に重要です。1日に2リットル程度の水を飲むことで、体内の循環が良くなり、肩こりの予防になります。
耳鳴りに効果的なツボ
耳鳴りをすぐにでも止めたい、治したいと思ったら押すツボを紹介します。
どのツボも必ずしも止められたり治したりできるわけではないですが効果が発揮されるツボはいつかあり耳鳴りや難聴にも効果があるツボになります。
聴宮(ちょうきゅう)
耳の穴の前側にあるツボで、耳の付け根の中心にあります。
指を耳の穴の前に当てて口を開けると窪みができる場所が聴宮です
痛みを感じない程度の力加減で、ツボを回すように押すのがポイントです。
聴宮は、耳全般の不調に効果がるツボになるので耳鳴りや難聴にも効きます
天牖(てんゆう)
天牖は、耳の後ろの髪の生え際の下と首筋の後ろ側に位置します。
肩こりや頭痛、などに効果的ですが突発性難聴や耳鳴りにも天牖は効果を発揮します。
天牖はこちらの記事でも紹介しています。「首こり、肩こりに効果的なツボ 天牖(てんゆう)」
翳風(えいふう)
耳たぶの後ろにある骨のでっぱりの下の窪みにあります。ここを刺激することで、内耳の機能を活発にする効果があります。
頭痛、吐き気、顔のむくみ、目の疲れ、肩こり、耳鳴り、難聴に効果的です。
美容にも良いとされていて、クマやくすみ、顔のむくみまで取ってくれてフェイスラインが引き締まるので美容鍼でも良く使われるツボになります。
完骨(かんこつ)
耳たぶの後ろにある骨のでっぱりのすぐ下に位置しています。
頭痛、目の疲れ、顔のむくみ、肩こり、首こり、寝付けないなどの症状に効果的で、内臓への血流をよくしてくれるので副交感神経も整えてくれるのでリラックスできるツボでもあります。
頭痛やめまい、不眠などがある時に使うのに効果的です。
まとめ
肩こりの原因の多くは様々な要素が重なって発生することが多く、日々の生活習慣を見直すだけでも改善傾向に向かいます。ただ、少しくらいの肩こりなら大丈夫だと思ってしまうと耳鳴りなど辛い症状が出てしまいますので、日常生活の中で姿勢を意識する事や適度な運動など健康に気をつかうことが大切です。また、肩こりや耳鳴りの症状が酷くなり日常生活に支障をきたす場合は早めに専門医に受診することをおすすめします。
まずは、不調がない健康な身体を目指していきましょう。
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